このブログに訪れてくださったあなたは、「ネパール人は怠け者で働かない」とか「ネパール人は貧乏」って思いますか?
この言葉、ネット上でもよくみかけるし、日本でもネパール人に対してそういうイメージを持っている人が多いらしく、私も時々聞かれることがあります。
結論から言うと、これって完全に間違いでは無いにしろ、かなり誤解されている部分があるんじゃないかなぁと思います。
ネパール人は怠け者?
少なくとも私の見える生活の範囲内では怠け者より働き者のネパール人のほうが多いように思えます。
ネパール人は結構働いている?
私が「ネパール人、意外と働き者!」と思う理由は次のとおりです。
◆早朝から夜遅くまで働いている◆
実際に朝から晩まで働いているのは、雇われている人であることが多いのですが、生活のために時間を最大限に使って商売に力を入れている人も多いです。
雨の日も、休日の土曜日も休むことなく働く姿をみかける人もたくさんいます。
ネパールではどちらかというと、「この仕事を極めたい」「この仕事が生きがい!」というよりは「生活のため、家族のために稼がなくてはならない」という理由で、長時間の労働を毎日繰り返している人がほとんどだと思います。
もし親や家族の誰かが、生活するのに十分なお金を持っているならば、そちらに依存して、自分が毎日働くということはしないでしょう。
日本人とは根本的に仕事に求めるものが違う気がします。
日本人は人生の時間を削って仕事に専念することを美徳とする傾向にありますが、ネパール人にとっての仕事は「お金のため」がダントツでしょう。
◆ネパール人はとっても早起き!◆
ネパール人はほとんどの人が早起きです。
朝5時起きが普通って言う人もよくいます。
朝から掃除をしたり近所の家を訪問したりと活動的です。そういう姿を毎日みていると、とても怠け者とは思えません。
朝6時にはシャッターを開けて営業を始めるお店も多いです。
◆海外出稼ぎ労働者の働きぶり◆
海外に出稼ぎにでるネパール人は急増しているそうですが、日本でのネパール人の働きぶりは評判が良いと聞きます。
ネパール人は職につき易いことから、日本の飲食店やコンビニ、生産工場などで働くことも多いようですが、「ネパール人は日本人の若者みたいにすぐ辞めないし、まじめだよ」という日本人オーナーの声も聞いたことがあります。
まぁ、稼ぎに行っているわけですから、当然と言えば当然なんですけどね。
こういったように、生活がかかっている場合やお金のためなら怠け者になんてなっていられません。
逆に自分の利益にならないことや、やる必要がない場合は一気にやる気をみせないところもあるので、そういう面をみてしまうと「怠け者」に見えてしまうかもしれませんね。
ネパール人が怠け者にみえる理由
それでも日本人からみてネパール人が怠け者にみえちゃう理由って何なんでしょうか。
私なりに考えてみましたが・・・
- 向上心がない(状況や仕事の質をあげよう、改善しようとする姿勢がみえません。)
- 急がない(時間に遅れていても、急ぎません。走りません。慌てません。)
- 生活が十分なら無理して働く必要性を感じない(仕事が生きがい!って人、どこかにいるの?)
働きたくても思うような仕事がないのが現実のネパール。
平日の昼間でもフラフラしている大人はたくさんいます。
だからといって怠け者かというとそうでもないんです。
ネパール人も状況によってはまじめで働き者です。
仕事が中心の日本の社会とは、環境・習慣が異なるので、「怠け者」とみられてしまうのも仕方ないのかなと思いつつ、ネパール人の勤勉さももっと伝わってほしいというのが私の意見です。
ネパール人は貧乏?
様々なデータ上から、ネパールはアジア最貧国と位置付けられていますが、これも現地に暮らしている私からみれば、ものすごく違和感があります。
確かに村や一部の地域では貧困な暮らしをしている家族もたくさんいます。
カトマンズ市内でも路上生活者の姿はまだまだ多くみられます。
でもそれ以外に十分に恵まれた生活を送っているネパール人も大勢いるのが事実です。
特に外国人がネパールで普通に生活していれば、出会うネパール人のほとんどが「貧乏」という言葉からは程遠い生活を送っています。
ネパール人が貧乏とは思えない理由
◆パーティ三昧の日常◆
いつもどこかしらでパーティごとが行われています。
人生のうちで大勢のお客を招待してのパーティといえば、結婚式くらいかなと思いますが、ネパールでは何かとお祝い事があるたびに豪華なパーティを開く人も少なくありません。
結婚式はもちろん、婚約式、お食い初め、誕生日、成人式など、日本ではちゃっちゃと簡単に済ますお祝いも、ネパールではパーティを開いてみんなに披露してなんぼ!みたいなところがあります。
そんな様子をみていると、このパーティでどんだけ散財してるの?と考えずにはいられません。
◆スーパーマーケットの需要が高い◆
最近はスーパーマーケットがどんどん増えてきています。
驚くのが買い物の仕方。カートにどっかり商品を乗せて大量買いしていくネパール人の多いこと!
基本、「節約重視」でちまちま買いの私の横で、高い外国産のチョコレートやアルコール類をたんまり買っていく家族の姿・・・う、うらやまし~!!
◆海外出稼ぎ労働者の収入◆
若者がこぞって海外に留学&出稼ぎに行くネパールの現状。
ネパールに良い就職先がないから当然なのですが、魅力はやっぱり海外での仕事の収入でしょう。
家族の中に海外労働者がいれば、その収入だけでけっこう贅沢な暮らしができます。
◆生活水準が高い人も多い◆
海外に旅行に行く人も多いです。
Facebookには旅行先の楽しそうな姿がよく投稿されています。
もし貧乏ならこんなに頻繁に海外旅行にはいけません。
お酒やたばこなどの贅沢品もとても高いですし、子供の教育費も日本よりかかります。
それでも皆何とか生活しています。
国全体でみれば「貧乏」という言葉が浮上してしまうかもしれませんが、「ネパール人=貧乏」では決してありません。
また、海外への出稼ぎに頼らずとも、ネパールで事業に成功した人もいますし、先祖代々の土地を転がして裕福になっていった人もいます。
まとめ
「ネパール人は~だ」「日本人は~だ」って、私もよく使っちゃいますけど、本当のところは、同じ国の人でも千差万別です。
特にネパールは異なる民族が多く住む国です。
言葉や食文化、宗教も様々。そして人の性格も生活レベルも平均となるものを示すのはとても難しいです。
だからこそ奥深く、長く住んでも飽きないのかもしれませんね。