はっきり言ってしまうと、一般的にネパール人はあまりお風呂に入りません。
ほぼ毎日お風呂あるいはシャワーを浴びる日本人にとっては、正直「汚い・くさい」と感じてしまうこともあるかもしれません。
でもお風呂に入らないのにはそれなりの理由があるような気がします。
真意のほどはわかりませんが、私がネパールで生活して感じる「ネパール人があまりお風呂にはいらない理由」についてまとめてみました。
ネパール人が毎日お風呂に入らないのは「慢性的な水不足」だから
地域にもよりますが、ネパールは結構深刻な水不足の問題があります。
雨が降らない乾季は、何日も水が配給されないことも。
それなりに経済的に余裕のある家庭は「給水車」を呼んで水を買い貯めることができますが、そうでない家庭は少ない水で生活をやりくりしなくてはいけません。
毎日ジャージャーと快適にシャワーを浴びる・・・というのはかなり贅沢だったりします。
ネパールの水不足については、国の政策により解決する方向に向かっている(らしい)ようですが、全ての場所で快適に水が使えるようになるのはいつになることやら。
水が不足していると、お風呂どころか洗濯も満足にできなくなり必然的に汚い環境ができあがってしまいます。
「お風呂に入らない」「何日も汚い服を着ている」と言っても、そう言った背景があるため「不潔」の一言で済ませられないのが現状です。
我が家は幸いにも水にはあまり不自由していません。毎日シャワーを浴びられるのは本当にありがたいことだと感じています。
ネパール人が毎日お風呂に入らないのは「お湯を使うための便利なシステムがない」から
最近はネパールでも家の設備が充実してきているので、蛇口をひねれば気持ちの良いお湯がでるという家庭もあります。
でも、従来の古いシステムで作られた家は蛇口からお湯が出ることはほとんどありません。
お湯を出すためには「ソーラー」「電気」「ガス」を利用して、お湯がでるような環境を作らなくてはなりません。
そのためにはやはり「お金」が必要になってくるわけで・・・これもまた経済的に余裕のない家庭には無理なことになってしまいます。
そのため太陽が出ていて暑いときにだけ水浴びをすると言う人も。
寝る前に熱いお風呂・シャワーで一日の汚れを取り布団に入る・・・という、日本では当たり前のことがネパールでは難しかったりします。
そもそも自宅に浴槽を設置してある家庭も少ないので、ゆっくり湯船に浸かる習慣はほぼないと言っていいでしょう。
ネパール人が毎日お風呂に入らないのは「熱いお湯は体に悪いと思っている」から
ネパール人に聞いて驚いたのがこれ。
「日本人は熱いお湯に毎日浸かっているから癌になる」と真顔でネパール人に言われたことがあります。
ええ!? 熱いお湯に浸かると癌になるなんて初耳ですが。
そして「熱いお湯で髪の毛を洗うとハゲる」と思っている人もいるらしい。
熱いお湯を浴びるのを嫌がるのは年配者に多いように感じます。何か根拠があるのでしょうか??
とはいってもお風呂好きなネパール人も多い
ということで、ネパール人は環境のせいもあってか毎日のようにお風呂に入ったり、シャワーを浴びる人は少ないですが、全員がそうというわけではありません。
以前に紹介したタメルにあるサウナ・お風呂施設(過去記事参照)などに通うネパール人も多くみられますし、日本で温泉が大好きになったネパール人もたくさん知っています。
また、朝の神様への参拝の前やお祭りの儀式の前には、身体を清める意味を込めて水浴び(シャワー)をする習慣もあります。
もし、水が豊富に使えて温かいお湯がいつでも出る環境になれば、もっと頻繁にお風呂に入るネパール人が増えるのでは?と思います。