近年、日本に移住するネパール人の数が急増しています。
この現象は、日本社会の人口減少と労働力不足を背景に、外国人労働者の存在感が高まっていることが一因です。
特にベトナムやネパールなどの東南アジアや南アジア出身者の増加が顕著で、日本の外国人数の出身国でも全体でも中国、韓国、フィリピン、ブラジルに次ぐ6位となっています。
今回は、ネパール人が日本に移住する理由についていくつか紹介していきます。
経済的な理由
ネパールは経済的に困難な状況にあり、多くのネパール人がより良い生活を求めて海外に出ることを選択しています。
日本は経済的に安定しており、比較的高い賃金を得ることができるため、多くのネパール人にとって魅力的な目的地となっています。
また、多くのネパール人が家族への送金を目的として日本で働いており、稼いだ料金のいくらかを家族に送金しているようです。
教育と技能の向上
日本の教育制度や技術力の高さに惹かれ、留学や技能実習生として来日するネパール人も多くいます。
日本での学びは、ネパールに帰国した後のキャリアアップにつながると考えられています。
実際に、留学生として来日しても、週28時間までの労働が認められているため、飲食店やコンビニエンスストア等で働く人が多く、移民労働者としての側面も持っています。
文化的な魅力
日本の文化や生活様式に魅力を感じ、日本での生活を望むネパール人もいます。
日本のアニメ、ドラマ、音楽などのポップカルチャーがネパールの若者に影響を与え、日本への興味を引き起こしています。
また、日本の治安の良さや公共サービスの充実も、ネパール人にとって大きな魅力となっています。
社会的・政治的な背景
ネパールでは、10年に及ぶ内戦や王族殺害事件による国内の混乱がありました。
これらの出来事は、安定した生活を求めるネパール人にとって、日本への移住を促す要因となっています。
日本は政治的に安定しており、自然災害を除けば、安全な生活を送ることができる国として知られています。
在日ネパール人コミュニティの形成
日本にはすでに多くのネパール人が居住しており、特に首都圏や愛知県、福岡県に集中しています。
これらの地域ではネパール料理店が増え、ネパール人コミュニティが形成されています。
新宿区の新大久保駅周辺はネパール人が多く住んでおり、ネパール人街を形成しています。
このようなコミュニティの存在は、新たに日本に来るネパール人にとってのサポートシステムとなり、
言語や文化の壁を乗り越える助けとなっています。
まとめ
以上の理由から、ネパール人が日本に移住するケースは今後も増え続けると予想されます。
日本社会にとっては、多様性の増加と新たな労働力の確保という点でプラスの影響をもたらす可能性があります。
一方で、偽装留学生問題などの課題もあり、日本政府と社会はこれらの問題に対処する必要があります。
ネパール人と日本人との間の文化交流は、両国の理解を深め、より豊かな社会を築くための重要なステップとなるでしょう。