ネパール人と関わる中で、驚かされることのひとつが「家族との関係の深さ」です。
親や兄弟姉妹、親戚とのつながりが非常に強く、生活の中心にはいつも家族の存在があります。
日本のような個人主義とは異なり、ネパールでは家族全体が一体となって生活を支え合う文化が根づいています。
本記事では、ネパールの家族構成や価値観、夫婦関係、日本との違いなどを詳しく解説し、ネパール社会への理解を深めるためのヒントをお届けします。

ネパール人と結婚・交際中の人や、旅行・仕事でネパールに関わる人の参考になれば嬉しいです!
ネパールの家族構成と生活スタイル

ネパールでは、家族という単位が非常に大切にされており、日本とは異なる独自の構成や生活スタイルが根付いています。
複数世代での同居が一般的
ネパールでは、親子だけでなく祖父母や叔父・叔母、時にはいとこまで含めた拡大家族が同じ家に暮らすことも珍しくありません。
とくに地方部では、農業や家業を家族全体で支えるため、世代を超えて助け合いながら暮らすスタイルが根づいています。
都市部と地方での違い
最近では、首都カトマンズやポカラといった都市部では核家族化が進んでおり、若い夫婦が親元を離れて生活するケースも増えています。
それでも、「何かあったら実家に戻る」「親の意見を重視する」という意識は根強く残っており、たとえ別居していても精神的・経済的なつながりは非常に強いです。
親戚との距離も近い
ネパールでは、親戚も“ほぼ家族”といえるほど近い関係を築いています。
結婚式や宗教行事などでは、遠縁の親戚まで集まるのが当たり前。
日本人からすると「そこまで関わるの?」と驚くような関係性も、ネパールではごく自然なことです。
ネパールの家族構成は、個人の自由よりも「家族全体の和」を重視する考えに基づいています。
この価値観が、日々の暮らしや人間関係にも大きく影響しているのです。
ネパール人の家族観・価値観

ネパールの人々にとって、「家族」は単なる身内の集合体ではなく、人生の軸そのものと言えるほど重い意味を持ちます。
その家族観や価値観は、日常生活のあらゆる場面に影響を与えています。
家族は最優先される存在
ネパールでは、個人の希望よりも家族全体の意見や都合を優先する文化があります。
進学や就職、結婚などの人生の節目も、家族の意向が大きく関わります。
親が反対すれば恋愛や結婚をあきらめるケースもあり、家族の同意は非常に重要です。
親を敬い、仕える文化
ネパールでは、親への尊敬と奉仕の姿勢が強く求められます。
特に成人後も、親の面倒を見るのは子の当然の責任とされており、経済的に支援することも珍しくありません。
老後を施設ではなく家庭で看るという考えが主流で、親と子の結びつきは非常に強いものです。
親戚づきあい=人生の一部
親戚同士のつながりも、日本以上に密接です。
誕生日や冠婚葬祭、宗教行事には必ず親戚一同が集まり、情報交換や助け合いが行われます。
遠くに住んでいても連絡を取り合い、必要があればすぐに支援するのが当たり前という感覚です。
兄弟姉妹との連帯感が強い
ネパールの兄弟姉妹は、単なる家族以上の存在です。
年上の兄弟姉妹には敬意を払い、年下の面倒を見るのは当然のこと。
家事や子育てを兄弟姉妹で助け合う光景もよく見られ、「家族のために自分が何ができるか」が常に意識されています。
このように、ネパール人の家族観は「支え合い」「尊重」「つながり」を重んじる、非常に濃密な人間関係で成り立っています。
これは、日本人の感覚とは大きく異なり、時に驚きや戸惑いを覚えることもあるかもしれません。
ネパールの夫婦関係・結婚観

ネパールでは、結婚と夫婦関係に対しても「家族全体とのつながり」を重視する価値観が根強くあります。
日本とは異なる文化に、戸惑う日本人も少なくありません。
恋愛よりも家族主導の結婚が多い
都市部では恋愛結婚が増えてきたとはいえ、今も多くは親や親戚が決める「お見合い結婚」が主流です。
結婚は個人同士の問題というより、「家と家とのつながり」としてとらえられ、家族同士の合意が重要視されます。
結婚後は夫側の家族と同居が一般的
結婚後、多くの女性は夫の実家に入り、義父母や家族と同居するのが一般的です。
家事や家族の世話を担うことが期待され、「妻=家族の一員としての役割を果たす存在」とみなされることも。
家庭内での立場や自由に関しては、日本の感覚とはかなり違います。
夫婦関係よりも“家族全体の調和”が重視される
ネパールでは、夫婦二人の関係よりも、「夫の家族とうまくやっていけるか」が重要視されます。
たとえば、妻が夫にだけ愛情を示すよりも、義父母や兄弟姉妹への配慮ができるかが評価される傾向があります。
つまり、「家族への協調性」=良き妻・良き夫とされる文化です。
国際結婚で起きやすいギャップとは?
ネパール人と国際結婚する日本人が感じるギャップのひとつが、「親との距離感」です。
頻繁に親から連絡が来たり、義父母の意向を強く尊重しなければならなかったりと、日本の“夫婦中心”の考え方とは異なります。
相手の家族も含めた関係を築く覚悟が必要です。

ネパールの結婚観・夫婦観は、個人主義的な日本とは根本的に異なります。ネパール人と結婚した日本人が陥りやすいストレスの一番の原因と言っても良いでしょう。
日本との家族関係の違いと注意点

ネパールの家族観は温かく魅力的である一方、日本とは大きく異なる点も多くあります。
ここでは、よくあるギャップとその注意点を紹介します。
個人主義 vs 家族中心主義
日本では、進学や就職、結婚などの選択を「個人の意思」が重視されますが、ネパールでは「家族の意向」が大前提です。
たとえば、恋人との関係を家族に伝えずに進めると、のちに大きな摩擦が生じることもあります。
「自分のことは自分で決めたい」という日本人にとっては、強い干渉と感じるかもしれません。
プライバシーの感覚が違う
ネパールでは、家族間に「プライバシー」という概念があまりありません。
部屋を勝手に開ける、携帯を見られる、行動を常に共有するなど、日本人にとっては驚くような行動も、悪意なくごく自然に行われます。
境界線を曖昧に感じることでストレスになることもあるため、距離感の取り方には注意が必要です。
義理の家族との付き合い方
ネパールでは、義父母や親戚との関係が非常に濃く、頻繁な訪問や経済的な支援を求められることもあります。
日本では「自分たちの家庭を第一」に考えるのが一般的ですが、ネパールでは「夫の家族全体の中に自分が入る」意識が求められます。
これに戸惑い、疲れてしまう日本人配偶者も少なくありません。
ストレスを避けるための心構え
文化の違いによる誤解やストレスを減らすには、最初から「違って当たり前」と理解しておくことが大切です。
無理に合わせすぎず、かといって否定せず、相手の文化を尊重しながら自分の価値観も伝えることが、良い関係を築く鍵になります。

ネパールと日本の家族対する根本的な違いを、素直に受け入れることが大切ですね。
まとめ

ネパールの家族関係は、日本人にとって新鮮で時に驚くことも多い文化です。
複数世代での同居や親戚づきあいの濃さ、親の意見を重視する価値観など、日本とは異なる考え方が日常のあらゆる場面に根づいています。
一方で、家族のつながりを大切にし、助け合いながら暮らすネパールの姿勢には、学ぶべき点も多くあります。
ネパール人との交流や結婚、移住を考えている方は、まず「家族」をキーワードに、相手の背景を理解することから始めてみてはいかがでしょうか。

