十年以上前に比べると、ネパールで物乞いに出会う頻度はかなり減ったように思います。
以前はタメル地区でもお年寄りのネパール人に金銭を要求されたり、子供に「お菓子を買って」と言われたりしましたが、最近はほとんどなくなりました。
タメルは旅行者中心のエリアなので、近年警察による取り締まりが厳しくなったのが原因かもしれません。
タメル内で活動していたホームレスの人々もどこかに移動したのではないでしょうか。
とは言っても、ネパールでは現在でも道を歩けば物乞いにあうことがよくあります。
外で生活をしている子供のグループ、いわゆる「ストリートチルドレン」も時々ですが目にします。
日本では慣れていない物乞いにあったら、あなたならどう対応しますか?
ここでは、私なりの見解をお話したいと思います。
ネパールで物乞いにはお金をあげるべき?物乞いのタイプ別に考えてみた
物乞いといっても様々な方法で、お金や食べ物を要求されることがあります。
私もその時によって対応に違いがあるのですが、それぞれの物乞いのタイプ別に考えてみました。
子供にお菓子・お金を要求されるケース
子供だからついつい・・・とビスケットやチョコレートくらい買ってあげたくなるのですが、私はあえて子供からの要求には応えないことが多いです。
理由は、1回で終わらないことが多いから。
何故か子供は複数人でいることが多く、要求してきたときには1人や2人だったとしても、それを見ていた他の子供たちが次々に寄ってきてしまうことが何度かありました。
また、顔を覚えられていて会うたびに要求してくるようになった子供もいます。
なので、自分のポケットに飴やビスケットが入っていればあげることもありますが、基本的には応じていません。
赤ちゃん連れの女性にミルク代を要求されるケース
これは聞いたことがある人もいるかもしれませんが、赤ちゃんを抱いた女の人がミルクを買って欲しいと話しかけてくるケースです。
実はその赤ちゃんは自分の子供ではなく、借りてきたよその子で、買ってもらったミルクは後で店に返品してお金を手に入れている・・・というのが通説です。
よくよく考えてみれば、ネパール人は母乳派の人が多数だと思うので、市販のミルクを赤ちゃんに与える必要ないのでは?と気づきます。
私も以前、赤ちゃんを抱いた女性にミルク代を要求された時に、「自分の母乳あげないの?」と聞いたことがあります。(意地悪い?)
そのとき赤ちゃんを抱いたその女性は「病気で母乳がでない・・・」と言っていました。
やせ細った女性の体をみれば、本当のことかもしれませんが・・・どうでしょうね??
ちなみにその頃、私も娘の授乳期で母乳が出過ぎていたため、「私の母乳を分けようか?」と冗談で言ってみたら、女性は笑いながらどこかに行ってしまいました(笑)
ネパールでもミルク代は決して安いわけではありません。
それでも買ってあげたいと思った方は買ってあげればよいのではないかと思います。
移動できない場所で物乞いをされるケース
だれかと待ち合わせている場所だったり、車やバイクで信号待ちしているときなどにも物乞いがやってくることがあります。
私はこの場合には、一切無視か拒絶する態度をとります。
なぜならやはり一度で終わらないことがよくあるから。
少額のお札を渡しても「もっともっと」と手をだされたり、他の物乞いの人が来たりすることがあります。
自分が動けない場所にいるときは、逃げることもできないので最初から応じないようにしています。
貧しくて可哀想だな・・・と同情はしますが、自分が怖い目に遭ってまで助ける必要はないと思っています。
障害を持つ人が物乞いをするケース
私が自分からすすんで寄付するのはこのケースです。
手足のどこかを切断してしまって、見ているのが痛々しいくらいの人も結構います。
これも、物乞いで同情をかうためにわざと障害者になっている・・・という説がありますね。
目の不自由な人が、路上で音楽を演奏したり歌ったりすることでお金を集めていることもあります。
これらの障害をもつ人たちは、自分から手を出して要求してくるのではなく、路上に座りながら善意のお金が集まるのを待っていることが多いです。
目の前に置いてある箱や袋に、お金を入れて通り過ぎていくネパール人の姿がよくみられます。
やはりこのタイプだと、自分も納得して寄付をすることができるので良いと思います。
相手から手を出されて、追いかけられるように金銭を要求されると、逃げたくなるのは私だけではないのでは?
物乞いにお金を渡すときの相場はいくらくらい?
私は最初にネパールで物乞いに100ルピーを渡したところ、一緒にいたネパール人に「そんなにあげなくても大丈夫だよ」と言われました。
逆に100円くらいじゃ安すぎかと思ったのですが。
でも、よく見ていると次々に道行く人が寄付していくので、1人が少額の寄付でも結構な額になるようです。
10~20ルピー札を渡す人が多くみられますね。
もちろん決まっているわけではないので、それより安くても高くても別にいいんですけど。
ただ、旅行者は相場を知らないからたくさんくれるだろう・・・と味をしめてる(言いかた悪いですが)物乞いもいるかもしれません。
日本では物乞いされる経験も少なく、乞食に対して否定的な人も多いと思います。
働く気になればいくらでも仕事はあるし、国のサポートも受けられますしね。
でも、国の保証制度も頼れないネパールでは、余裕のある人が弱い人を助けるということが自然に行われています。
かといって、たくさんいる物乞い全てに応じていたらキリがありません。
自分の気分が向いたときにちょっとした気持ち程度の額で・・・くらいに私は思っています。
現地のネパール人も、ごくごく自然に寄付していますし、その気がないときは「早くあっち行って!」と、しつこく要求してくる物乞いにそっけなくしていることもあります。
ここまで記事は書きましたが、はっきり言って物乞いへの対応に答えはありません。
あなたの気の向くままに・・・という感じでしょうか。