ネパールやインドなどヒンズー教の文化圏では食事は手で食べる・・・
というのは結構皆さんが知っていることだと思います。
確かにネパール人は手食文化なのですが、私が周囲のネパール人を見ていて思うのは、時と場合によって、食器を使ったり手で食べたりと使い分けているということ。
それでもやっぱり基本は「手で食べるのが一番美味しい」と感じている人が多いようです。
今回はネパールの食事に対するマナーや考え方についてまとめてみようと思います。
手で食事をするネパール人の習慣や価値観について
それでは早速、ネパールの食事に関する習慣についてみていきましょう。
ネパールの基本食「ダルバート」は手で食べないと美味しくない
ネパール人が日常的に毎日食べているダルバート。
レストランではスプーンを使って食べている人の姿を見かけますが、基本的には手で食べる人がほとんどだと思います。
スプーンで食べる人は「先進国では手食は品がないとされている」ということを意識しているのでは?と思います。(私の勝手な考えですが)
海外で生活経験のあるネパール人も多いですし、外国文化の流れから、これからどんどん手で食べる人は減っていくような気がします。
そうは言っても「手で食べないと美味しくない!」とはっきり言ってのけるネパール人もたくさん知っています。
自宅でもレストランでも一貫して手で食べる人もいます。
衛生的に良くないのでは?と思うかもしれませんが、確かに汚れた手で食べれば不衛生ですが、食前・食後はしっかりと手を洗う習慣があります。(ちなみに食後は口周りもしっかり洗う)
なので、衛生面では特に問題はないのでは?と思います。
日本人はおにぎりやお寿司は手でつかんで食べる人もいますし、欧米人だってサンドイッチやハンバーガーを手で食べることはマナー違反ではありません。
とは言っても、実は私も手でダルバートを食べるのは苦手。
カレーをグチャグチャと混ぜて食べる音や見た目がなんとも・・・・
でもネパールの習慣ですので、何も言いますまい。
食事を口に運ぶために使うのは右手のみ!
これもご存知の方が多いと思いますが、食事を口に運ぶのは右手のみ許されています。
左手はトイレの時に使いますからね。
左手は不浄の手とされているので、テーブルの下や膝の上においておきます。
あ、でもコップはつかんでも大丈夫なようです。
右手がごはんで汚れているので、水を飲む時は必然的に左手を使っています。
食器は不浄なもの?
最近は食器を使って食事をするネパール人も一般的になってきていますが、もともとは大勢の人が使用する食器は不浄のものとされ、使用することはNGだったみたいです。
今でも村の人の家にはスプーンが置いていないこともあります。
そう考えると、日本人の食事文化である箸って、ネパール人からみたら「汚い」のかも?
と、最近思っています。
特にレストランで使いまわしている木製の箸なんて、ネパール人にとってはかなり抵抗あるのでは?(実際に聞いたことはないですが)
コップの回し飲み・同じお皿でシェアはNG
日本の食事風景によくありがちな、
「あ、あなたが食べてるパスタ美味しそうだね。一口ちょうだい!!」
などといって、横から人のお皿に手をだすなんてもっての他!
私も日本で旦那によくこれをやってました。
いつも嫌がられたので「けちくさい人」と思っていたんですが(笑)、ネパールに住むようになってからは良くわかるようになりました。
「これ美味しいから食べてみて!」
と、自分が食べていたお皿を差し出すのも駄目です。
大皿に盛ってある食べ物をそれぞれ取り分けて食べるシェアは大丈夫ですよ。
飲み物の入っているグラスやペットボトルの間接キスもネパールではありえません!
「インド飲み」とよく言われる、口をつけないペットボトルの飲み方がありますが、ネパールでもまさにそれ。
知らない人同士、レストランに置いてある水差しやペットボトルは「インド飲み」をして回し飲みします。
最初は私も「なんだか下品な飲み方・・・」と思いましたが、今となっては家族同士でもインド飲みになってきました(笑)。
まとめ
ネパール人と知り合いになった時には、食事の分け合いや回し飲みに気を付けてみてください。
日本滞在が長いネパール人の中には気にしない人もいるかもしれませんが、敏感な人もいるかもしれませんので。
※ネパール人の一般的な食事観念についてまとめましたが、若い人になるほどあてはまらない傾向もあります。